遊びながら学ぶ田舎暮らしー源流の自然ー 2024 in山梨県小菅村

遊びながら学ぶ田舎暮らしー源流の自然ー 2024 in山梨県小菅村

遊びながら学ぶ田舎暮らしー源流の自然ー 2024 in山梨県小菅村 活動報告

1.はじめに

本事業は、2025年1月18日(土)に「2024年度 独立行政法人国立青少年教育振興機構 子どもゆめ基金」の助成を受けて実施した自然体験学習プログラムの一つです。
山梨県北都留郡小菅村に流れる多摩川源流の豊かな自然を舞台に、現地で地域活性化活動に取り組む「NPO法人多摩源流こすげ」の皆様にご協力いただき、環境教育活動や郷土文化の体験学習を行いました。

2.当日の活動スケジュール

10:00 JR大月駅集合
10:10 送迎バスで小菅村へ移動
10:50 源流大学到着、オリエンテーション
11:10 源流大学出発
11:20 多摩川源流の散策
12:20 散策終了、源流大学へ移動
12:30 源流大学到着、昼食(郷土料理体験)
13:30 郷土行事「天神講」参加、薪割り・焚き木体験
15:00 活動終了、送迎バスで源流大学出発
15:10 「道の駅こすげ」でお土産購入・休憩
15:30 小菅村出発
16:20 JR大月駅到着、解散

3.活動報告

⑴源流散策
NPO法人多摩源流こすげのスタッフの方々に加え、小菅村在住の方に多摩川源流の自然環境や生息する生き物について解説をしていただきました。
胴長とライフジャケット、ヘルメットを着用し、実際に川の中を歩いたり川魚を観察したりして散策を行います。この日は晴れていましたが気温は低く、川底の石や木々の一部が凍っていたのが新鮮に映ったようで、参加した子どもたちも興味深そうに観察していました。

⑵郷土文化体験
一つ目の郷土文化体験では、煮込みうどん作りを行いました。小菅村で生まれ育ったお母さん方にうどんの麺や汁物の作り方を教わり、一緒に作業をしながら小菅村の伝統的な食文化や料理作りのコツについてお話をしていただきました。
出来上がった煮込みうどんは、源流散策の後に参加者全員で食しました。白菜やカボチャ、根菜類といった冬ならではの野菜が沢山入った煮込みうどんが、寒い中で散策をしてきた身体を温めてくれました。
二つ目の郷土文化体験では、この時期に行なわれる「天神講」という年中行事に参加させていただきました。
「天神講」とは、学問の神様として奉られる菅原道真に、子どもの学業成就や健やかな成長を祈願する行事です。墨汁で「天神」や「天神様」と書いた半紙を竹の枝に括り付け、菅原道真が祀られている場所に差し、祈願を行います。小菅村では各地区でこの行事が行われてきましたが、少子高齢化や人口減少に伴い、持続的に行なうことのできる地区が少なくなってきているといいます。同じように年中行事を執り行うことができなくなっている地域も多い中、このような機会に多くのお子さんと行事を体験することができたことは、文化継承の一つの足掛かりとなったのではないかと感じています。

⑶薪割り、焚き火体験
プログラムの最後は、薪割りと焚き火体験を行いました。薪割りは初めてという参加者がほとんどの為、多摩源流こすげの皆様に薪の割り方を教わります。
細かく割った薪は焚き火の燃料としても使用。焚き火で体を温めたり、マシュマロを焼いたりと、屋外ならではの活動を楽しみました。

4.おわりに
今回の事業にご協力いただいたNPO法人多摩源流こすげの石坂様より、事後コメントを頂戴いたしました。

〈石坂様コメント〉
今回の自然体験学習プログラムでは、冬の多摩川源流の自然や小菅村の文化に触れる機会を提供できたことを大変嬉しく思います。
普段とは異なる環境の中で、子どもたちが驚きや発見を重ねながら学ぶ姿がとても印象的でした。
源流散策では、凍った川辺や澄みきった水の中を歩きながら、生き物の息づかいや自然の循環を感じてもらえたのではないでしょうか。
また、郷土文化体験では、地域の方々とともに煮込みうどん作りや「天神講」に参加しました。
少子高齢化が進む中で、地域の伝統行事を復活し、子どもたちと一緒に行うことができたことは、文化継承の大きな一歩になったと感じています。
このような体験が、子どもたちにとって「自然の中で学ぶことの面白さ」や「地域の暮らしの知恵」への関心を深めるきっかけとなれば幸いです。
私たちNPO法人多摩源流こすげは、これからも地域資源を活かした体験活動を通じて、次世代に自然の魅力を伝えていきたいと考えています。
最後に、本事業にご参加いただいた皆様、そして地域で協力いただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。
また小菅村で皆さんとお会いできることを楽しみにしています!

※この活動および報告書の作成は、独立行政法人国立青少年教育振興機構「子どもゆめ基金」の助成を受けて行っています。